この図面は平成25年11月津田家母屋解体時に土蔵から発見された聖三一聖堂(現:聖アグネス教会)の図面である。和紙に描かれた図面は大小20枚あり、
桐の箪笥の中に保管されていた。
聖三一聖堂は明治31年にジェームズ・ガーディナーの設計で建設されたと言われている。しかし、ガーディナーが描いた図面は現存しない。この図面は明治30年ごろに初代津田甚六郎が描いた「施工図面」と思われる。
この施工図の塔には三位一体の紋が描かれている。平安女学院の資料にによると
竣工直後「塔の紋が菊の御紋と紛らわしいので取り替えるよう警察から指示をうけ菊の紋から十字架の紋に取り替えられた」という記述が残っている。
現在まで三位一体の紋は一度も使われておらず、初代の描いた三位一体の紋は
当初のガーディナーの図面に描かれていたと推測する。
この図面は現在、土蔵から発見された図面45枚、写真24枚、資料5冊とともに京都市歴史資料館に保管していただいている。